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第2分科会

「保育者と子どもの関わり~専門職としての魅力再発見~」
東洋大学教授 高山静子氏

 講義の前半では、「関わりの理論編」として、保育士・保育教諭は、福祉と教育の専門職である。保育者は気づかないうちに持っていて、「お母さんの代わり」だけではない専門性がある。
 乳幼児期にどのようなかかわりをするかによって、その子が「自分自身がどんな人間なのか」というイメージを持つ。そのため乳幼児との関わりは難しい。いい親であろうとしても体罰をしてしまうことがある。また人間や自然とかかわる前にテレビやスマホの影響を受けてしまう。ただ親がどんなに冷たくても、保育者があたたかく関わることでその子が変わることができる。これを踏まえて保育園での保育や子育て支援をしていかなければならない。さらに保育園では福祉ニーズが高い方たちとの関わりが多いため、より深い専門性が必要とされると述べられ、福祉・教育がどのような目的・価値があるかを説明された。
休憩をはさんで後半では「関わりの技術スキルアップ」について講義となった。
最新の脳研究では、言葉で脳の発達を妨げることが言われているため、言葉かけには注意する必要がある。その話の中で不適切な関わりの事例を提示した。その事を知ることによって他の方法を模索するようになる為である。そして不適切な関わりが起こる理由として、保育者が保育について困っているときであることが多く、それは逆を言うと適切な発達を勉強すれば、自然と不適切な関わりが減っていくと述べられた。その後、実際に園内研修で行われる演習を5名くらいのグループで行い、園内研修の体験をしてもらった。最後に学びを支える言葉について、3歳までの貧困な言語環境が、脳のシステムの形成に甚大な影響を与えるといわれており、家庭でもよい関わりをしてほしい旨話されて研修を終えた。
途中、肯定的な技術・態度の重要性や共感より受用することの大切さ等、丁寧な講義があり、講義の合間に隣で話し合う時間を設け演習を行ったりして実践的な内容になっていた。
分科会を通して、専門職・専門性という言葉が多く聞かれた。それは、キャリアアップや処遇改善等で少しずつ社会的地位が高くなっている保育士に求められている意識改革のことを述べているように感じた。

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