
第4分科会
「こどもとわたしにうれしい 環境+PLUS」
~環境が変われば保育が変わる 保育が変わればこどもが変わる~
講師:一般社団法人 G3保育環境研究会
はじめにG3森本代表から、分科会説明の中で、子ども達の育ちに人的環境、物的環境がどれほど影響を及ぼすのか。そして、より良い育ちを提供するための環境を考える日々の中に、子ども達と価値観を共有し学びあっていく文化が育まれることについての言及があった。
そのように環境+(ぷらす)の考え方をエッセンスに環境構成に取り組むことによって、保育者が保育を楽しむことができるようになり、子ども達にとっても保育園・こども園がより楽しく幸せな場所になっていくとのイントロダクションで幕を開けた。その後5か園の実践発表を行なった。それぞれの園が目先の発達のことだけではなく、園の所在する地域の特性や季節、さらには将来にわたる人格形成における影響を細やかに考えながら環境を構成している点が印象的であった。休憩をはさんだ後、6人一組にしたグループワークを行い、参加者が自己紹介、大切にしていることなどを伝えあい、保育を楽しみながら学びあうという本分科会の趣旨にマッチした和やかな時間となっていた。その後、G3大西先生をコーディネーター、森本代表、落合先生をパネリストに迎えてパネルディスカッションが行われ、事例報告をした各園それぞれの実践に讃辞を送った。さらにその実践についての意見を交えつつ、様々な切り口からの保育実践、環境構成の妙味を参加者に伝えていた。その後2度目のグループワークとして、様々な地域条件を加味したうえでの理想の園づくりについて話し合った。
あえて地域条件を限定させることで、より具体性をもった理想の園を考え、話し合うことができていて、中には短い時間にも関わらず園の理念にとどまらず、建物の簡略図まで完成させていたグループもあった。
最後のまとめでは、人は変化を怖がるという傾向がある、変わることには恐怖がつきまとうが、環境とは保育の構造の質なのだから、私たち保育者が現在よりもさらによいものにするために、環境をアップデートして未来を変えることが必要である。でも、本当は変わるということは面白いことで、保育の仕事ほどクリエイティブな仕事はない。その証拠に今日見た実践報告や話し合いの中にワクワクの種があったのではないかとのまとめが大西先生よりあり、保育に携わる人がよりよい未来を創造するために、今日の分科会が生かされればというG3からの願いに参加者は大きな拍手で応え、分科会は幕を閉じた。
【実践報告園】
1 認定こども園きらり 佐賀県吉野ケ里
コミュニティールームの紹介
活動の合間に絵本を読んだり、延長保育の際にも利用される。
緑や、絵本などのものを増やしていきたいと思っている。良い意味でも悪い意味でも、大人の想像力を超える動きが見えた。
2 たんぽぽbambi保育園 大阪府茨木市
園舎と地域の環境の紹介。
木のぬくもりを感じられるもの。広いスペースもある。布団棚の紹介。棚を衝立の代わりにすることで広い空間を仕切り、コーナーを作ることもできる。さらに、下の部分を抜くことによってトンネル状になり、遊びの中にも使える。
3 あかつき保育園 佐賀県佐賀市
園の特徴、福岡県にほど近い有明海に面した場所地域資源と保育環境の融合について。園の周りは農業がさかんなのでお米作りに取り組んだ事例紹介。子ども達の成長やその特徴をていねいに捉えながら、実践の方法に工夫を凝らして行ったコメ作りの報告。
4 星の子保育園 滋賀県大津市
遊びと暮らしの環境の工夫
園庭は草花、砂、水をいつも自分で使えるような環境を整えている。
リビングルームソファやラグ、観葉植物など、おうちに近いような環境を。気持ちが乗らない日はここで落ち着けてから部屋にいくこともある。ティータイムの時間を設定することにした。その時間を通して、子ども同士が繋がっていく様子が見られるようになった。
5 多気の杜ゆたか園
雄大な自然を生かし、温かい人たちのふれあいの中で地域の文化を感じる。子ども達の今やりたいこと、発達段階、季節に合わせて環境を工夫している。こどもの発想を保育士が拾い、遊びに広げていくこともある。
環境から子どもの想像力をより豊かに。
5園の実践を聞いて感想を話し合おう
・自分の園ではこんな視点がなかったな
・もう少しこの辺詳しく聞いてみたい などの意見があった。
